階段の物件は売りにくい?階段物件をの買取の事例もご紹介
不動産は立地に関しては全く同じという物件は存在しません。
しかし物件の立地によっては売ることが難しくなるケースが出てきます。
【目次】
階段に接して立地する不動産がある
戸建てやアパートが建っている場所を考えてみると物件の前面に道路があってそこに接して建物が建築されていることが一般的です。
しかし、地域的な要因で立っている物件や築年数が古い物件によくありますが、階段の上に立地している建物があることをご存知でしょうか。
わりと趣のある観光地などに行った場合にロケーションの良い階段の上に物件があったりします。
このような階段の上に立地している不動産は実は売却をしようとした際にとても売却に苦労することがあります。
次に売りにくい要因を挙げていきます。
階段に立地する物件が売りにくいとされる要因
階段の上に建てられた物件は現行の建築基準法と照らし合わせた場合、必ずしも適合されているということはありません。
むしろ古い物件の場合には建築基準法が厳しくない時期に建てられた物件も多く、許可を取らずに建築されているものも見受けられます。
このような状況の物件は賃貸や売買での取引を考えた場合でもプラスの要因は少なくなります。
自転車や自動車などの車輌の利用が出来ない
階段に接する物件の多くは道路には接していない為、自転車や自動車の駐車スペースを確保することが出来ません。
自転車の場合は担ぐことを想定すれば利用出来なくもないですが、頻度の多い利用には向かず、子供や高齢者の方は利用することが難しくなります。
また、自動車を利用出来ない場合、駅から近い、バス停が近いなどの交通便が優れる場合は良いですが、交通便が悪い場合にはデメリットとなります。
ファミリー向けの物件で駅から離れる場合、自動車が利用出来ることを条件に探される方も多くいます。
その為、階段に接する物件の需要が少なくなると言えます。
再建築が出来ない可能性がある
建物が経年劣化でどうしても古くなってきてしまいます。
新しく購入を検討する買い手は現状のまま住めるか、将来的に建て替えが出来るのかといった点を考えます。
階段物件の場合は建築基準法第43条に定められた接道義務に該当しないケースが多く建て替えが出来ない物件も存在します。
建築が出来ない場合、将来的に一般の方では利用出来るケースが少ない為、なかなか選ばれにくくなります。
【建築基準法第43条】概要
第1項 建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない。
第2項 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの。
(参照:東京都都市整備局「第43条第2項に基づく認定・許可の取扱い」)
現況が階段の場合でも建築基準法の許認可を受けて階段が道路とみなされている場合は2m以上接道することにより建築が出来るケースもあります。
建築が出来るかどうかは市町村の建築課などに確認すると良いでしょう。
建築や解体のコストが高くなる
基本的に建築やリフォームを行う際は資材の搬入を行う為に搬入車を物件の前までつけ、荷物の搬入を行います。
建築が出来る階段の物件の場合、搬入車が進入出来ない為、駐車が可能な場所から運搬をしなければならずその分手間がかかるのでコストが高くなります。
解体の場合は解体の重機の利用が出来なくなる為、全て手壊しで行うようになる為、その分費用が増えてしまいます。
また、撤去の場合は建築と同様に搬出に手間が掛かる為、この分面でも高くなると言えます。
余計な費用がかかると想定されてしまうので敬遠される要因となります。
階段の物件は万人には選択されない
子供がいる世帯や高齢者がいる世帯にとっては普段の買い物や毎日の昇り降りが負担となってしまう為、選択がしにくい物件となります。
その為買い手の間口が狭くなってしまう為、なかなか売れない状況が出来てしまいます。
買い手の銀行融資が出にくい
階段を利用した物件の場合、物件の評価が低く見られることが多い為、買い手が住宅ローンを利用した際に融資が出ないまたは融資が減額されてしまうことがあります。
特に完全に再建築が出来ない物件となると銀行融資がおりない可能性があります。
売れない状況が続くと価格が安くなる可能性がある
階段物件の場合はその物件の性質や状況によっては前項でお伝えした通り、なかなか売れない物件となってしまいます。
その為、相場での売却が難しくなるケースがあります。
仲介で売却をしている場合ではなかなか売れない状況では価格を下げることを検討しなくてはなりません。
ここで注意をしなければならないのが、値下げをしたからといって必ず売れるという保証はないということです。
買い手にも予算がありますから価格を下げることによって物件を探されている層が広がりますので検討する方が増えてきます。
しかし、購入に至るかは魅力的な物件であるかどうかという点が重要であり、利用がしづらい物件などはなかなか成約まで至らないケースもあります。
階段物件では買取も検討するのが良策
仲介での売却では売れなければ最終的に価格を見直していくしかありません。
しかし、仲介ですから値下げをしてもいくら期間がかかっても成約となった場合には仲介手数料が発生します。
仲介手数料は売買価格が400万円を超える場合、(売買価格(税抜) × 3% + 6万円 + 消費税)という速算式を用いて計算することが出来ます。
(仲介手数料の関連記事:不動産買取は損をする?仲介と比較して損をしない売却をする)
不動産の買取では不動産業者に直接買取をしてもらうことにより仲介手数料がかからずに売却が出来るメリットがあります。
また、買取では不動産業者が購入を決めると短期間で手続きが出来、売却を確定することが出来ます。
買取でのデメリットとしては相場よりも価格が安くなってしまう傾向があることが挙げられます。
階段物件を仲介と買取をした場合の仲介手数料の比較
次に仲介と買取の成約までの価格の流れを見てみましょう。
ここでのポイントは買取の場合には物件を売り出す際に合わせて検討することで高値での
買取が可能となるケースがあります。
【階段立地の物件の成約価格の比較例】
当初の価格 | 価格の改定 | 成約価格 | |
仲介 | 800万円 | 600万円 | 550万円 |
買取 | - | - | 550万円 |
上記のようなケースの場合、成約後の手数料について見てみましょう。
仲介:(550万円×3%+6万円)+消費税=247,500円
成約価格 5,500,000円-仲介手数料 247,500円=手元に残る価格 5,252,500円
買取:直接買取の場合は不要
成約価格 5,500,000円=手元に残る価格 5,500,000円
階段に立地する戸建てやアパートの場合、早い段階で買取の相談も行うことで結果的に買取の方がメリットが高くなることがあります。
階段物件を仲介と買取をした場合の売却期間の比較
仲介と買取では売却期間にも大きな差が出ることがあります。
ここでは売却期間をそれぞれ確認してみましょう。
【階段立地の物件の売却期間の比較例】
売却期間 | 売却期間の延長 | |
仲介 | 3ケ月以内 | 3ケ月毎に媒介契約 |
買取 | 7日~1ケ月 | - |
仲介では3ケ月以内に売却が出来るであろう価格を設定することが一般的です。
媒介契約は最長が3ケ月となり、以降自動更新とはならず再度媒介契約を締結するか依頼する不動産会社を変更して売却をするようになります。
期間内に物件が売れない場合には媒介契約を延長して再度売却活動を行っていきます。
階段に接する物件の場合には成約となる時期が予測がしづらくなり、場合によっては1年以上経過しても売れないケースもあります。
買取の場合には査定依頼から7日程で契約から物件の引き渡しまで完了出来ることがあります。
すぐに物件を売りたい、処分したい方や買い手の内覧の対応が煩わしい方は買取がおすすめです。
(媒介契約の関連記事:不動産買取とは?買取と仲介を理解して賢く売る方法)
階段に接する物件が買取となった事例紹介
思うように売却が進まなければ気持ちだけが焦ってしまい、悩みや不安を感じたりしてしまいます。
なかなか売却がしにくい階段に接した一戸建てが買取になった際の事例をご紹介いたします。
同じような内容でお悩みの方は是非、参考にしてみてください。
階段が30段以上ある一戸建ての買取のご相談
地域的に起伏のある立地に住まれていたNさん(70代)は40代で一戸建てを購入しました。
この購入した物件がご相談をいただいていた階段の上にある一戸建てでした。
物件は駅までの道のりに坂があり一戸建てに接しているのが階段の為、アプローチの為に30段程の階段を上っていましたが、購入当初は全く気になりませんでした。
しかし、年を重ねる毎に坂や階段の利用が厳しくなってきた為、売却をして娘様の近くのマンションへの住み替えを検討されるようになりました。
その為、仲介での売却をスタートさせましたが、なかなか進展せずに1年以上が経過していました。
ここで売却をする為にネックとなった問題が2点あったようで、1つは駐車場が無いので車輌などが駐車できないこと、2つ目に建物の築年数が30年以上経過していた為、買い手が大幅なリフォームをしなければならず、加えて階段でのアプローチとなる為、リフォーム費用が割高になることで予算から外れてしまうというものでした。
なかなか売却まで至らない為、Nさんは不動産の買取も検討してみることにしました。
不動産会社への来店や電話での問い合わせよりも気軽に相談をしたい為に、インターネットより不動産買取ナビを利用することにしました。
Nさんは3社へ買取の査定依頼をしたところ、1社が階段に接した物件の買取に強く、価格や引渡条件に折り合いがついた為、この買取会社へ買取をしてもらうことにしました。
物件の引き渡しまで1ケ月程あった為、無事住み替え先のマンションを探すことができ、引越まで行うことが出来ました。
階段に接する物件は買取も検討するのがおすすめ
階段に接する戸建てやアパートは道路に接している物件と比べて売却がしづらく、買い手にとっても購入のハードルが上がります。
また、同じような状況の物件であっても建物が古い場合や建築が出来ない状況にあるとなおさら売却が厳しくなってしまいます。
買い手が不動産会社ならば利用をするノウハウを持っていますので、一般の方よりも利用方法や手段が多くありますのでお悩みの解決に近づくことが出来るかもしれません。
その為、所有している物件にくせがありなかなか売却が出来ない場合には買取も検討することをおすすめします。
まずは無料査定を利用し、不動産買取業者へ相談をして意見をもらいながらサポートを受けてみてはいかがでしょうか。
記事編集者 センチュリー21アイワハウス 一戸建て、マンション、土地、アパートなどの収益物件の不動産の売却・買取の 不動産に関連した情報やご相談やお悩みについてご紹介致します。 →センチュリー21アイワハウスの編集ポリシー |