売主が知っておくべきおとり広告のリスクと売主の対策
不動産売却を検討する際、少しでも高く売りたいと思うのは当然です。しかし、そのために安易におとり広告に手を染めることは、大きなリスクを伴います。
おとり広告とは
おとり広告とは、実際には存在しない物件や取引できない物件を広告し顧客を誘い込み、別の物件を契約させようとする違法行為です。
売主側が意図的におとり広告を行うケースは稀ですが、悪質な不動産会社によって、以下のような手口で売主が知らない間に巻き込まれる可能性があります。
顧客を呼び込むための「釣り」として、売主の許可なく大幅に値下げして掲載
・虚偽の情報や写真掲載
修繕履歴や建物の状態などを実際よりも良く見せかける
・成約済み物件を掲載
顧客を来店させ、別の物件を契約させようとする
すでに成約済みの物件をの掲載に関しては、通常に募集や販売をしてしまった物件をインターネット上から削除する場合、反映までに時間がかかるケースがあります。
売主側が知っておくべきリスク
おとり広告は、宅地建物取引業法違反であり、以下のような厳しいペナルティを受ける可能性があります。
・宅地建物取引業免許の停止や取消
・業務改善命令
・勧告
・損害賠償責任
・買主から損害賠償請求を受ける可能性
・刑事罰
・6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金
さらに、おとり広告は企業イメージを著しく損ない、顧客からの信頼を失墜させる可能性もあります。
基本的には不動産会社側のペナルティとなりますが、売主側にも場合によっては、損害賠償責任を負う可能性や契約解除される可能性などのリスクが生じる可能性があります。
売主が対策できること
おとり広告被害を防ぐためには、売主自身が以下の点に注意する必要があります。
- 信頼できる不動産会社を選ぶ
宅地建物取引業免許の有無を確認
会社の評判を調べる
担当者とのコミュニケーションを丁寧に行う
- 広告内容を事前に確認する
掲載価格や物件情報が正確であることを確認
疑問点があれば、必ず不動産会社に質問する
- 書面で確認する
媒介契約書や重要事項説明書の内容をよく確認
不明点は必ず解消してから署名・捺印
まとめ
おとり広告は、売主にとっても大きなリスクを伴う違法行為です。被害を防ぐためには、売主自身が積極的に情報収集を行い、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。
不動産会社選びは慎重に行い、売却実績のある不動産会社を比較検討することをおすすめします。また、広告内容や契約書の内容は必ず事前に確認し、不明点は遠慮なく質問しましょう。
安心安全な不動産売却のためには、売主自身の意識が重要です。