相続不動産を相続手続きをしないで売却することは可能?
相続した不動産を売却する場合、原則として相続手続きを完了してから行う必要があります。例外的に相続手続きをせずに売却できるケースもありますが、基本的には相続登記をする方が安全かつスムーズな売却を実現できます。
【目次】
相続登記の必要性
相続登記は、被相続人の所有していた不動産の名義を相続人に移転する手続きです。登記簿謄本に相続人の名義が記載されることで、所有権を証明することができます。
相続登記を行わないことのデメリット
売却時のトラブル
登記名義が被相続人のままの場合、買主が所有権を取得できない可能性があります。また、後から他の相続人から異議を唱えられる可能性もあります。
抵当権設定の制限
相続登記が完了していないと、不動産を担保に融資を受けることができません。
将来的なトラブル
相続登記をせずに放置しておくと、将来、相続人間でトラブルが発生する可能性が高くなります。
相続手続きをせずに売却できるケース
相続人が全員同意している場合
相続人が全員同意し、かつ遺産分割協議書を作成すれば、相続登記を経ずに不動産を売却することができます。
少額遺産の場合
相続財産の合計額が300万円以下(土地の場合は100万円以下)であれば、相続税がかかりません。この場合、相続手続きをせずに売却しても問題ありません。
登記名義人が被相続人のままの場合
被相続人が単独所有者で、まだ相続登記がされていない場合、相続人全員が遺産分割協議書を作成し、売買契約書に全員が署名・捺印することで売却することができます。
相続手続きをせずに売却する場合の注意点
相続手続きをせずに売却する場合は、以下の点に注意する必要があります。
買主への説明
買主に対して、相続手続きをせずに売却する旨を説明し、リスクを理解してもらう必要があります。
遺産分割協議書の作成
相続人全員が遺産分割協議書を作成し、内容に同意していることを確認する必要があります。
登記名義の変更
売却後に登記名義を相続人に変更する必要があります。
専門家の相談
相続手続きをせずに売却する場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。相談することでリスクを把握し、適切な手続きを行うことでリスクの軽減を図ることが出来ます。また、相続登記の関係では司法書士などに相談することもおすすめです。
2024年4月から相続登記が義務化
相続した不動産を売却する場合、原則として相続登記を完了してから行う必要があります。
相続登記義務化に伴う罰則
相続登記を申請しなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
まとめ
相続不動産を売却する場合は、原則として相続登記を完了してから行うことを強くおすすめします。相続登記を行うことで、売却時のトラブルを防ぎ、スムーズな取引を実現することができます。相続登記をしなくても売却の手続きが出来るケースはありますが、トラブルに至る可能性が上がる為、手続きを完了されてから売却するのが望ましいです。
不動産会社では相続不動産の取引を数多く取り扱っていますのでまずは不動産会社へご相談するのもおすすめの方法です。
参考:国土交通省【令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されます!】