空き家の相続問題 有効活用の方法とは
不動産を所有しているとさまざまな問題が起こり得ます。
その中でも現在、よくニュースで取り上げられ、社会問題視されているのが空き家問題です。
【目次】
過疎化の進む地方や田舎だけの問題ではなく、住宅の多い都市部でも空き家は数多くあります。
【例)神奈川県 空き家戸数:約48.6万戸 (平成25年総務省 住宅・土地統計調査より) 】
親族の実家・住宅などを相続し、所有した不動産をそのままにしてしまっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では空き家を相続した際の有効活用の方法とデメリットを紹介します。
空き家を所有しているだけでリスクがある!?
所有しているだけかかる固定資産税
不動産を所有していると毎年1月1日の所有者に固定資産税が課せられます。
固定資産税はその住宅に住んでいても空き家にしていても支払わなければなりません。
また、2015年「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、「特定空き家」に指定された場合、
税金の優遇がなくなり居住している時よりも固定資産税が最大で6倍に上がるリスクがあります。
(【空き家を放置しておくと損をする?空き家問題とその対応について不動産のプロが教えます】にて詳細を説明しています)
所有者には責任がある
1.適切な維持管理が行われていない
放置することにより、老朽化した家屋の倒壊による人的被害や雑草が伸び景観が悪化する、悪臭が発生するなど
衛生面の問題、害虫・害獣の発生などのリスクがあります。
2.犯罪を誘発する
不審者が住みつく・たまり場になる、その他に犯罪者が犯罪に利用するケースもあります。敷地内に不法投棄をされたり、
放火などのリスクもあります。
これらのことが起きた際には、所有者に責任が発生します。
空き家を放置すると価値が下がる
空き家を放置すれば当然、老朽化してその分の価値が下がります。また、適切な維持管理が
されていない不動産は老朽化も早く、売却しにくくなります。また、人口減少により住宅の
需要も減少、新たに空き家が増加し供給が増え、不動産の価値が下がるリスクがあります。
空き家を有効に活用する方法
空き家対策・地方活性化のため、地方自治体や団体が貸し手と借り手をマッチさせる「空き家バンク」の導入をしています。
「空き家バンク」では賃貸するにあたり、リフォームなどの費用を補助してくれる団体などもあります。
また、最近ではシェアハウスや民泊として賃貸をするケースもあります。
複数の入居者から家賃収入が見込めるため、有効な活用方法のひとつと言えます。
空き家を処分する
もうひとつの方法として、「不動産を売る」という方法があります。
不動産の売却の場合、空き家の買い手がタイミング良く現れればすぐに売ることが出来ます。
しかし、不動産によってはなかなか売却が出来ないケースもあります。
確実に不動産を処分したい方は「不動産会社に買ってもらう」という方法をとられています。
管理が難しい、手間をかけたくないなどのご事情の方にはおすすめの処分方法です。
実際のご相談のケース
【実際にご相談をいただいたケースをご紹介します。】
実家の相続を受け、一戸建てを相続しました。すでに分譲マンションを所有しており、通勤や通学のことがあり実家が遠方
なため、戻ることは考えにありませんでした。しばらく空き家の状態にしていましたが、維持管理が出来ずさらに毎年の
固定資産税もばかにならず、処分することを決めました。売却した場合の査定価格を出してもらいましたが、調べてみると
近隣でも売却に出ている物件が多く、実家の築年数も築40年と古かったため、売れるのかという不安がありました。
そのため確実に売却が出来るように不動産会社が購入をする買取査定を依頼しました。3社より査定価格の提示をいただき、
価格の比較もしました。結果は通常に売却をする価格の85%程で購入してくれる会社があり、買取の場合は仲介手数料も
かからず、諸費用を含めた金額にあまり差がありませんでした。さらに買取の場合は不具合(瑕疵担保)の責任も免責され、
現状のままで引渡しが出来るのも魅力的なポイントでした。
結果として買取価格の根拠がしっかりしている会社へ売却することにしました。
まとめ
決断が早ければ直ぐに売れたのに……といったケースも多く存在しています。
無料査定などを上手に活用して、不動産買取をご検討されるのもひとつの方法です。
まずはお気軽にご利用いただくことをおすすめします。
(関連記事:空き家の問題は所有者に責任が!売りたくても売れない空き家はどうする?)
(関連記事:空き家不動産を成年後見人が売却する際の注意点)
記事監修者 かながわ行政書士事務所 代表 池田 晴香
行政書士
かながわ行政書士事務所ホームページ:https://kanagawa-gyosei.com/
WEB制作会社に営業として勤務後、学生時代から就職後も続けていた音楽関係の仕事をきっかけに
ラジオパーソナリティー、ナレーション、朗読などの声の仕事を始める。 30代、行政書士の仕事をスタート。
→センチュリー21アイワハウスの編集ポリシー