空き家の問題は所有者に責任が!売りたくても売れない空き家はどうする?
近年、空き家に関する諸問題が度々聞かれるようになり、テレビ等で取り上げられることも多くなりました。
本章では空き家に関する諸問題や所有者のリスクについて解説していきますので、ぜひ参考になさってください。
空き家にはどんな問題が発生する?
まずは以下で空き家に関してどのような問題が生じるか確認します。
①利活用が難しい
空き家は所有しているだけでも管理の為に手間や費用がかかります。
上手く利活用できればいいのですが、不動産の運用は他に仕事を持つ素人の方には現実問題として難しいのが実情です。
借り手を見つけて家賃収入を得たいところですが、空き家は古い物件が多いのでこれも難しいことが多いです。
近年は自治体が運用する空き家バンクなどもありますが、目立った成果を上げている事例は聞こえてきません。
利活用ができなければ、固定資産税や清掃にかかる費用など管理費だけがかかるお荷物となってしまいます。
②所有者責任が生じる
空き家から生じる危険は所有者に対応する責任があるというのが民法上のルールですから、例えば空き家が倒壊して怪我をした人が出れば、
所有者は自分が住んでいなくてもその損害賠償責任を負う必要があります。
さらに、倒壊だけでなく悪臭や景観の悪化など周囲への悪影響を排除するため、空き家対策特別措置法という法律も整備されました。
これは倒壊の危険や悪臭などの悪影響を有する危険な空き家については、行政が所有者に対して改善を指示することができるものです。
これに従わなければ、最終的には行政代執行によって空き家は解体され、その費用を所有者が負担しなければならなくなります。
(本文に対する出典: 横浜市「空家等の所有者の方」)
③通常の売却では売りづらい
空き家は早めに売ってしまうのが鉄則ではありますが、実際には売りたくても売れない物件が多く、これも所有者を悩ませることになります。
利便性のある土地の比較的築浅の物件であればまだいいのですが、地方にある古い物件の場合買い手が付かないことも多いのです。
需要が無ければ売れないわけですから、ここで所有者は万事休すの状態に陥ります。
これでは管理費の無駄払いが続くうえに所有者責任まで負わなければなりません。
こんな時には不動産の直接買取が役に立ちます。
売りにくい空き家は直接買取がおススメ
引用:bBearさんによる写真ACからの写真
通常の売却で空き家が売れないのは、市場で需要がないからです。
例えば地方にある古い一軒家の場合、そこに住む必要があり、さらに一軒家を希望する層がどれだけいるかが問題となります。
ファミリー層で広い家を希望し、さらに一時的な転勤ではなく永住を考えている層が顧客対象になりますから、市場にいる一般の
買い手探しは非常に難しくなります。ただ、不動産業者による直接買取であれば話は別です。
不動産業者の中には、売却の仲介だけでなく、物件を直接買い取る事業を行う者もいます。
こうした業者は買い取った空き家をそれぞれ自分の得意な分野で利活用できるノウハウを持っています。
例えば空き家をリフォームして需要のある賃貸物件として生まれ変わらせたり、空き家を解体して更地にし土地開発を行う者など様々です。
開発力のある業者は一般の買い手とは異なる視点で不動産を見ますので、市場で売れない物件でも十分な魅力を感じることもあります。
ただ、直接買取は市場で売るよりも価格が二割~三割程度安くなってしまうのがデメリットになります。
買い取る業者も開発費など費用をかける必要があるので、その分安く買わなければ採算が取れません。
金額面でのデメリットがありますが、仲介による売却が難しい物件も直接買取であれば解決できることが多いので、
ぜひ検討されることをお勧めします。
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記事監修者 かながわ行政書士事務所 代表 池田 晴香
行政書士
かながわ行政書士事務所ホームページ:https://kanagawa-gyosei.com/
WEB制作会社に営業として勤務後、学生時代から就職後も続けていた音楽関係の仕事をきっかけに
ラジオパーソナリティー、ナレーション、朗読などの声の仕事を始める。 30代、行政書士の仕事をスタート。
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