『相続税の支払い』延滞料がかかる!?支払えない場合のペナルティとは
相続した財産には相続税がかかりますが、この支払いができないと怖いペナルティが待っています。
本章では相続税の支払いができないとどうなるのか、またその場合の対処法についても見ていきます。
【目次】
相続税には納税期限がある
最初に押さえなければならないことは、相続税の申告納税には期限があるということです。
申告と納税はどちらも同じ期限で、相続開始から10か月以内となっています。
つまり、申告する期限までには、納税資金も手元に用意しておかなければならないことに留意が必要です。
日本の相続財産は現預金が少ないことも多い
相続税の手続き期限までに納税資金を用意できないというケースは意外に多くあります。
というのも、日本の相続事案では相続財産全体に占める不動産の割合が大きいという特徴があり、現預金が少ないケースも多いのです。
意図的な相続対策として、生前に現金を不動産に変えるケースも中にはありますが、そのような意図的なケースでなくとも、ごく自然なケースでもやはり不動産の割合が大きいというのが日本の相続全体の特徴です。
相続税は所得税などと比べると多額になることが多いので、現預金が少ないケースでは納税資金の確保に困ってしまう事態となります。
相続税を支払えないとどうなる?
相続税が支払えない場合、税務上のペナルティが課せられることがあります。
一般に税務上のペナルティには以下のような種類があります。
①延滞税
本来必要な納税が期限に遅れたことに対するペナルティで、一般の借金返済でいうところの「遅延損害金」にあたるものです。
原則として、納期限の翌日から二か月を経過する日までは年7.3%、それ以降は年14.6%が適用になりますが、昨今の低金利時代を反映して、一定の負担軽減措置が講じられています。
その年によって利率が変動する仕組みになっているので、以下を参考にしてください。
延滞金は遅延損害金と同じように、早期の完全な支払いを促す目的もあるため、必要な税額が納税されるまで課されます。
②過少申告加算税
必要な納税額を過少に見積もって申告納税した場合に、その行為に対するペナルティとして課されるものです。
ケースによって、本来の税額の5%~15%の加算割合で課税されます。
③無申告加算税
必要な申告納税が期限に遅れたことに対するペナルティです。
ケースにより、原則として5%~20%の加算割合で課税されます。
短期間に違反を繰り返した場合は課税割合が上昇することもあります。
④重加算税
相続財産を隠すなどの悪質性の高い行為が認められた場合には、②や③に換えて、より高税率の重加算税が適用になることもあります。
原則35%~45%の加算割合となりますが、こちらも短期間に違反を繰りかえした事案の場合、さらに加算割合が上昇することがあります。
相続事案では不動産を素早く売って資金を確保しよう
相続税を支払えないと、上のようなペナルティを課される危険があるので、相続開始後は速やかに納税資金の確保に動かなければなりません。
現預金が少ないケースでは不動産を換価処分して現金を確保するのが基本戦略となりますが、一般的な仲介による売却では買い手が付くまでに時間がかかります。
特に相続物件は古い戸建てが多いので、元々買い手がつきにくい種類です。
元から売れにくい物件の場合、あるいは納税期限までに時間がないときは、不動産業者による直接買取による売却が大変有効です。
市場で買い手を探したり交渉したりする時間が必要ないので、すぐに現金に換えることができます。
不動産の買い取りは、相続税の支払いが必要になる相続事案で大変有効であることをぜひ覚えておいてください。
記事監修者 かながわ行政書士事務所 代表 池田 晴香
行政書士
かながわ行政書士事務所ホームページ:https://kanagawa-gyosei.com/
WEB制作会社に営業として勤務後、学生時代から就職後も続けていた音楽関係の仕事をきっかけに
ラジオパーソナリティー、ナレーション、朗読などの声の仕事を始める。 30代、行政書士の仕事をスタート。
→センチュリー21アイワハウスの編集ポリシー