【2021年最新】オリンピック後の不動産動向 現状の市況を捉える
賛否両論あるなか敢行された東京2020オリンピックもなんとか終了となりました。不動産分野ではオリンピック後の需要動向が気にかけられていましたが、終了直後の動きはどうなっているのでしょうか。
【目次】
本章では様々な視点から不動産動向を探ってみたいと思います。
東京2020オリンピックは反動減が少ない
過去のいくつかのオリンピックでは、公共インフラ整備への多額の投資をしたことから、オリンピック後に景気の反動を招いた例がありました。東京2020の場合、国立競技場のような大型の施設建築は数えるくらいで、インフラ整備に多額の資金は投下されていません。投下した資本が少ない分、オリンピック後に景気減退が生じるリスクが無く、それに伴う不動産の需要減も起きにくいとされています。
過去のロンドン大会も同様で、東京2020でも不動産需要に影響を及ぼす大幅な景気後退は起きないと考えられています。
原価上昇により不動産の価格減少が抑えられている
では実際の不動産需要はどうなっているかというと、特にマンションでは価格減少どころか上昇が続いています。これは建築にかかる資材価格が高騰していることと、地価が高水準にあることが理由と考えられます。
地価動向に関しては、コロナで勢いが後退していたホテル業者が盛り返し、マンション需要と土地の取り合いになっていることも一因となっているようです。
ハイクラスを中心にマンションは高い契約率が続いている
実需方面に目を移すと、東京23区内ではいわゆる億ションと呼ばれるハイクラスの新築マンションの需要が高く、売り出せばほぼ確実に売れるという状態になっています。この傾向は東京近郊にまで及んでおり、近畿圏でもハイクラスマンションの需要は旺盛となっているようです。
築浅マンションは取り合いから高価格に推移
億ションクラスの物件の需要が多すぎて、購入したくてもできない層がかなりいると見られます。あぶれてしまった層が物件探しの対象とするのが、築浅の好条件の物件です。
「新築は買えなかったけど、新築に近い物件ならまあ許容範囲としよう」ということで、こちらに需要が流れているということです。首都圏では特に築5年以内の物件が人気で、2021年4~6月の間の価格が急激に上昇しています。
中古マンションも築浅物件を中心に人気が高い傾向にあることから、オリンピック後の反動で需要が後退するという心配は今のところなさそうです。購入方面では負担感がでることになりますが、マンションの売却を考えている方には朗報と言えますね。
戸建ても取引価格が上昇傾向
2021年7月の首都圏の中古戸建ての取引では平均価格が前月よりも5.2%上昇しています。近畿圏でも0.2%上昇しており、緩やかな上昇を見せています。中部圏では下落はしたものの前月はプラスに転じていました。
また、新築戸建てに関しては首都圏、近畿圏、中部圏など全戸的に上昇傾向にあります。
(参考:東京カンテイ8.20 中古戸建て 新築戸建て )
現状では大幅な下落はなく、オリンピックの影響を受けていないことが見て取れる状況です。
居住用不動産の登録物件数は減少傾向
首都圏では中古マンションと中古戸建ての登録件数は減少を続けています。2021年7月時点では中古マンションが23カ月連続で減少、中古戸建ては17カ月連続で減少しています。
市場の物件が少なくなることで供給が減る為、購入を考えている層の需要が高まれば急激な下落は考えにくく、少しずつ上昇していくことも考えられます。市場の物件数が少なくなれば不動産買取業者やハウスメーカーや建売会社などの住宅メーカーも購入することが難しくなる為、通常よりも高く買取ることがあります。
この場合、リノベーションや新築をして販売する際は利益を出さなければならないので高めに価格設定をすることがあります。基本的には販売をする際は市場の価格調査を行う為、低価格での販売は考えにくいので全体的な相場は維持傾向が続きそうです。
記事監修者 かながわ行政書士事務所 代表 池田 晴香
行政書士
かながわ行政書士事務所ホームページ:https://kanagawa-gyosei.com/
WEB制作会社に営業として勤務後、学生時代から就職後も続けていた音楽関係の仕事をきっかけに
ラジオパーソナリティー、ナレーション、朗読などの声の仕事を始める。 30代、行政書士の仕事をスタート。
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