【最新版】道路よりも低い立地の道下の不動産。道下の物件は売りにくいって本当?

不動産買取, 戸建てに関するお役立ち情報

一戸建てや土地の中にはくせのある物件も多数存在しています。
ここでは道下にある物件についての説明と売却の方法についてご説明していきます。

日本では平坦な土地ばかりではなく高低差のある地域もあり、不動産の立地としてもこの高低差を利用して建築された不動産も多く存在します。
一般的に戸建てやマンションなどの立地を想像した場合、道路に接していて同じ高さにある物件を想像しがちですが、実際は必ずしもそういうものではありません。
ここでは道下にある物件についての説明と売却の方法についてご説明していきます。

道下物件と擁壁

道路より低い道下物件とは

普段生活しているとなかなか気づきませんが、不動産の購入などを検討した際にはいろいろな物件の情報を集めるのでご存知の方もいるとは思いますが、道路面より低い土地に建てられている戸建てやマンションがあります。
通常、建物を建てる際には接している道路と土地が極力フラットで高低差が無い状態で建築や土地の造成を行うことが多くなります。

【不動産の敷地のイメージ】

道下物件ではない通常の物件

対して道路より低い位置に建物や土地がある場合は遠目から見ると並び建っているように見えますが、実際には接している道路面よりも低く、2階などに玄関やエントランスがあるといった物件になっています。
このような物件は「道下物件」と呼ばれおり、道路面よりも建物や土地が低い立地の物件の事を言います。

【道下物件の敷地のイメージ】

道下物件

道下の物件は割とくせが強い不動産となり、不動産の立地としてはやはり道路面とフラットな物件の方が好まれる傾向にあります。
その為、道下物件は通常に立地する不動産よりも売却価格が安くなる場合が多くなります。
次に道下の物件はどういった特徴があるのか見ていきます。

道下物件の特徴とメリット・デメリット

道下物件はくせが強い物件とご説明しましたが、実際にはどのような特徴があるのでしょうか。
メリットとデメリットとしてご紹介いたします。

道下物件のメリット

購入出来る価格が相場よりも安くなる傾向
住宅購入の際はやはりくせの少ない物件の方が好まれる傾向にあり、道路とフラットの敷地の物件よりも道下物件は選ばれるケースは少なくなります。
しかし、新築や築浅で購入する場合は相場よりも安価で購入出来るケースがあります。

傾斜地の土地も利用出来ることがある
敷地が道路よりも低いということは少なからず高低差のある傾斜地に立地している為、建築が出来る場合、土地の有効利用が可能となります。

道下物件のデメリット

陽当たりが悪くなることがある
道下物件は傾斜地に建っていることが多く、ひな壇のような土地となっている為、南面などのメインの開口部は陽当たりが良い場合があります。
反対に道路面と敷地の高低差が大きい程、北側などの部屋は前面が擁壁などの壁となってしまうので陽当たりが悪く、明るさがとりにくくなります。

特殊な間取となることがある
道下の物件では戸建ての場合には道路から建物の2階にアプローチを造り、玄関とするケースがあります。
その為、1階に玄関を造る場合に比べて間取が変形となる為、2階部分に広さを取れなくなることがあります。

駐車場の確保が出来ないケースがある
道下の物件はアプローチを2階または階段を設置して1階に設置するようになります。
その為、そのままの状態では駐車場を設置することが出来ず、駐車場を確保する為には鉄骨などを組み駐車出来るスペースを作る必要があります。
設置する費用がかかる点と物件によってはこの方法がとれないこともあるので注意が必要です。

建築やリフォームに費用がかかる
道下物件では大きなリフォームや建物を再建築しようとした場合に費用が通常よりもかかることがあります。
通常であれば接している道路より直接資材の搬入が可能となりますが、道下物件の場合は階段を利用して搬入するなどの手間がかかる為、建築費用、リフォーム費用が余分にかかってしまいます。
また、新築工事を行う際にライフラインの引き込みに手間が掛かってしまいます。
電気や上水道の引き込みに関しては通常に建築するように引き込めることが多いですが、下水に関しては、敷地内から下水の本管へ繋ぐ必要があります。
下水の本管は接している前面道路にあるケースが多く、敷地内から排水する為には汲み上げる装置などを設置する必要が出てきます。
また下水の本管が傾斜地の下にある場合には隣地を通っているケースも想定され、許可を取る手間や引き直せない、配管を延長する費用が余計にかかるケースもあります。

擁壁の問題が出ることがある
道下物件は道路面よりも敷地が低い為、擁壁を組む必要が出てきます。
新しく設置された擁壁であれば役所の検査済証を取得し新しい建築基準で造られているので安全性がありますが、昔からある擁壁や不具合のある擁壁は再建築を行う際に許可が下りないケースがあります。
その場合には指示内容に沿って補修をする必要があり、建築の許可が下りない場合には擁壁のやり替えも必要となってきます。
擁壁のやり替えまでとなってしまうとより高額なコストがかかってきます。

道下物件の査定

道下物件は売りにくい

仲介で道下物件をしようとした場合、デメリットの方が目立ってしまう為、なかなか売却に至らない傾向にあります。
特に費用面がかかりすぎる場合には、基本的に買い手は住宅ローンを組むことが多い為、自己資金が無い限り流動的に費用が発生する場合には対応が出来なくなってしまいます。
購入する際にも道下物件は安価に購入出来るケースはありますが、売却の際にも時期やタイミングにもよりますが、相場より高く売るということが難しくなります。
また、デメリットの部分を補える程、魅力的な物件であればすぐに売れることもありますが、擁壁などのデメリットを抱えてしまうと売却はなかなか進まない可能性があります。

道下に立地した一戸建てが買取となった事例紹介

住宅地では区画の整理等が行われていない、分譲地として大規模な開発がされていない場合には土地の地形を利用して建築が行われることが多くなります。
もともと日本では山坂が多い為、傾斜を利用して建てられてた戸建ても多く存在します。
今回は道下物件で売却に苦戦していた一戸建てが買取に至ったケースをご紹介いたします。

道下に建てられた築年数が経過した一戸建ての買取のご相談

およそ30年前にAさん(60代)は一戸建てを購入しました。
道路よりも低い高さに立地する一戸建でしたが、当時の近隣の相場と比べて安価であり、その価格で新築に住めるということもあり購入を決意しました。
30年間住んでいましたが、足を悪くしたため階段でのアプローチが段々きつくなってきました。
その為、平坦地での生活を希望し戸建てを売却することに決めました。

しかし、Aさんは売却にあたり懸念事項がありました。

・汚水の排水に利用していたポンプなどの設備に不具合
・新築当時に既存の配管が利用されていた為、劣化の心配
・駐車場を設置したが軽自動車がぎりぎり駐車出来る状況

実際に仲介での売却をスタートさせることにしました。
もともと道下の物件で引き合いが少ない状況もありましたが、不具合なども黙って売却をした場合に後々トラブルになると思い、買い手側に伝えていました。
その為、不具合が生じている状況では前向きなお話しはもらえませんでした。

Aさんはどうにか売却をする為に調べることにし買取ならば不具合なども関係なく買取ってくれることを知りました。
買取の相談をしたところ、現状の不具合を伝えるだけで良く、契約後の売主としての責任も無かったため買取をしてもらうことにしました。
Aさんが買取に決めた理由として、不動産の買取業者が直接購入をした為に仲介手数料を支払わなくても良かったこともあり、仲介での売却と比較して手取りの価格にあまり差が出ずに買取で売ることが出来るということが決め手となりました。

【買取メモ】
不動産仲介会社から買取業者を紹介 仲介手数料必要
例)取引価格3,000万円→仲介手数料1,056,000円
不動産業者に直接購入してもらう
仲介手数料不要

(関連記事:マンションを売りたい人へ!不動産のプロが教える売却と買取の違いやメリットとデメリット

道下物件がなかなか売れない場合には買取も検討

道下物件はくせが強い為、仲介での売却では苦労してしまうことがあります。
一般の方には売りにくい条件でも不動産業者ならばくせが強い物件でも対応出来ることがあります。
仲介の場合には売れた場合でも売主には「契約不適合責任」という責任があります。
この契約不適合責任は契約書に記載の無い不具合などは売主が責任を負うというものです。
その為、くせの強い物件の売却は通常に流通する物件よりも把握することが難しくなることがありますので、費用がかかりますが売却前に第三者機関によるインスペクション(住宅検査)を事前に受けたほうが良いかもしれません。
売却を買取で検討する場合、不動産業者が買主となる為、この契約不適合責任は免除することが可能となります。
また、買取の場合は条件の折り合いがつけばすぐに現金化することも出来ます。
もし道下物件の売却が上手くいかずなかなか売れずにお悩みの方は不動産の買取も検討してみてはいかがでしょうか。

(関連記事:民法改正された「契約不適合責任」とは。瑕疵がある訳あり物件の契約での「契約不適合責任」を不動産のプロが解説
 

センチュリー21記事編集者 センチュリー21アイワハウス
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東急田園都市線たまプラーザ駅の不動産会社、センチュリー21アイワハウス。不動産売買・賃貸・賃貸管理・建売事業など不動産の様々な分野に取り組んでいます。特に不動産売却や不動産買取(自社買取)は取り扱いも多く、ノウハウがあります。相続、空き家、事故物件などにも対応。不動産・住宅のことならセンチュリー21アイワハウスにお任せください。
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