マイホームの買換え等による譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例制度

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住み替えのためにマイホームを売って新しい家を買う場合、マイホームの買い替えにかかる特例を利用できることがあります。

本章ではマイホームの買い替えにかかる特例のうち、譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例について解説します。

■譲渡損失の損益通算とは?

譲渡損失というのは、不動産を買った時より安い値段で売った時など、譲渡によって不動産所得に計算上のマイナス(損失)が出ることをいいます。

計算上の損失が出た時、給与所得など他の所得と通算して、当該他の所得にかかる税金を減らすことができるのが損益通算です。

前提として、不動産譲渡所得は分離課税方式をとるため、給与所得など他の所得とは切り離して税務処理をすることを覚えておきましょう。

サラリーマンの方は、給与所得について会社の担当者が税務処理をしてくれていますから、知らないうちに給与所得にかかる所得税を納めています。

不動産譲渡所得に損失が出た時、その損失分を給与所得から控除計算することで、給与所得額を減らし、こちらにかかる税金を安くすることができるのが損益通算の仕組みです。

例えばですが、給与所得が500万円である場合、対応税率は20%で控除額が427500円ですから、500万円×20%-427500円=572500円の所得税がかかります。

不動産の譲渡損失が300万円出たとすれば、これを給与所得から差し引くことができるので、給与所得は200万円として計算することができます。

200万円に対応する税率は10%で控除額は97500円ですから、200万円×10%-97500円=102500円です。

損益通算する前と比較すると572500円-102500円=47万円も税負担が軽減されることになります。

 

■繰り越し控除とは?

損益通算は単一年分の計算しかできませんが、譲渡損失が大きい場合、単一年では控除しきれない損失が出ることもあります。

その場合、不動産を譲渡した年の翌年以降3年間、同じように繰り越して控除することができ、この仕組みを繰り越し控除といいます。

損益通算と繰り越し控除は計算上の仕組み的には別のものになりますが、合わせて理解し、運用すると大変効果的です。

■主な要件は?

次に本特例の主な要件を確認します。

①一定のマイホームを令和元年12月31日までに売却すること。

②売却したマイホームは自分が住んでいる物件であること。現住でない場合は住まくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること。

③マイホームを譲渡した年の前年1月1日から売却した年の翌年12月31日までに、国内にある新しい居宅(床面積が50平方メートル以上)を取得すること。

④ 買い替えた新居宅に、購入した年の翌年12月31日までの間に住むか、又は住む見込みであること。

⑤新居宅を取得した年の12月31日において、当該新居宅に償還期間10年以上の住宅ローンを有すること。

 

■期限的要件をチェック

まず大きなポイントしては、前提として令和元年の12月31日までに旧マイホームが売れていることが必要です。

まだ売れていない人は対象から外れてしまいますが、売れた場合は次の期限的要件として、旧マイホームを譲渡した翌年までに一定の新居を取得し、さらに取得年の翌年までに住むか、住む見込みであるという要件が付いてきます。

新居の購入方面で手間取っている人は、不動産業者と相談して期限までに新居を取得できるように手配が必要です。

本特例には期限的な要件以外にも細かい条件が付されており、適用除外となる条件もいくつかあります。

併用できない他の特例もありますから、利用にあたっては税金に詳しいファイナンシャルプランナーや税理士等に適宜相談の上進めるようにしてください。

本特例の詳細は以下で確認することができます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3370.htm

記事監修者 かながわ行政書士事務所 代表 池田 晴香
かながわ行政書士事務所ホームページ:https://kanagawa-gyosei.com/
WEB制作会社に営業として勤務後、学生時代から就職後も続けていた音楽関係の仕事をきっかけに
ラジオパーソナリティー、ナレーション、朗読などの声の仕事を始める。 30代、行政書士の仕事をスタート。

 

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マイホームの買換え等による譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例制度
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マイホームの買換え等による譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例制度
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マイホームの買い替えにかかる特例のうち、譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例について解説します。
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