アパートの不具合で発生した事故は大家に責任が及ぶ可能性が。アパートオーナーの責任とは

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最近は東京八王子でアパートの外階段が崩落する事件が起き、大きな話題になっていますね。本章ではアパートの不具合で事故が起きた際の大家の責任について解説しますので、参考になさってください。

アパート 階段

不動産経営は安定したインカムゲインを得られることが人気で、“自動的”に定期収入(家賃収入)が入ってくることが魅力の一つにうたわれます。しかし実際には、不動産所有者は保有物件について様々な責任を有していますので、アパート経営をされている方は常に他方面に気を配らなければいけません。

アパートの階段の崩落事故の発生

冒頭でも出てきているようにここ最近で東京都八王子市のアパートの階段が崩落する事故が起きています。今回のアパートの事件はアパート自体が築後8年とまだ新しく、住宅品質確保促進法の期間内に該当しています。

通常木材を外階段に使用する際は腐食を防ぐために防水加工などの対策が義務付けられていますが、今回のケースではこのような対策がされていなかったことにより、木材が腐食してしまい事故を招く原因となっています。

このアパートではそもそも設計段階では鉄製の階段を使用するようになっていましたが、今回の事故が発生して木材が使用されていることを設計事務所は初めて知ったそうです。施工会社が施工する段階で設計とは異なった方法で施工したケースが想定されています。その為、責任においてはまず施工会社に求められることになりそうです。

この事故の捜査において国土交通省も乗り出しており、東京都と神奈川県に同施工会社が施工した物件について調査するよう要請しています。現段階での調査でもすぐに危険となるケースではないものの複数のアパートから階段の接続部の腐食や階段のゆがみなどの不具合が見つかっています。この事故のケースは現在進行中のお話しとなりますのでどういう顛末を賃貸経営をしているオーナーは確認したほうが良いでしょう。

アパート大家としての義務を果たさない場合の賠償責任

大家は賃借人が安心して住めるよう、アパートを適切に管理する義務があります。古くなり補修が必要なのにこれを放置するなどして賃借人に損害を与えた場合は、民法第415条や民法第709条により債務不履行責任や不法行為責任を問われ、損害賠償の義務を負うことがあります。そのため所有する物件には常に気を配り、壊れた個所があれば補修を加えるなどの対処が必要です。

過失が無くてもアパート大家は責任を追及されることもある

前項の責任は大家に過失(落ち度)があった場合に追及されますが、大家に過失がなくても、無過失責任として民法第717条1項の責任を負うことがあります。この規定では、土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じさせた場合に、第一義的には当該工作物の占有者(アパートなら賃借人など)が責任を負いますが、占有者が損害発生を避けるために必要な注意をしていた場合には、今度は所有者である大家に責任が及ぶことになっています。

しかもその際の大家の責任は無過失責任であり、落ち度がなくても損害の責任を負うことになるという、なんとも理不尽なものです。一般的なアパートの場合は民法第717条1項が問題になることは少ないと思いますが、例えば事業者にアパートを貸していて、その者がベランダに看板を据え付けたような場合はどうでしょうか。

その事業者が必要な注意をしていたにも関わらず、何らかの理由で看板が落下してけが人が出た場合、大家に責任が回ってくる可能性があります。大家としては一般の人が考える以上に思わぬ責任がかかってくるリスクがあるので、この点は理解しておく必要があるでしょう。

物件の不具合から賃借人や通行人に損害を与えてしまうようなケースに対応できる保険としては施設賠償責任保険があるので、必要に応じてこうした保険も有効に活用し、リスクに備える姿勢が必要です。

アパートの事故で刑事責任を負うことも

冒頭で述べた東京の事件では、施工会社が意図的に手抜き工事をし、欠陥を作り出したことが認められれば業務上過失致死など刑事上の責任を問われる可能性もあります。

同じ理由で、例えば施行はきちんと行われたにもかかわらず、その後の経年劣化により補修が必要な個所が発生しても大家が適切な処置を行わず放置し、結果としてけが人が出るなどの被害が出れば、大家が刑事責任を問われる可能性も出てきます。

また間取りを広くとろうと、本来は設計上必要な柱などを抜くように大家が積極的に指示をしたような場合も刑事責任の範囲が及んでくる可能性があります。不動産経営は実際手を抜こうと思えばできてしまう側面もありますが、その結果大きな責任を負ってしまう危険があるのです。大家としては意識的にリスクを管理する姿勢が求められますからなかなか大変です。不動産経営は手間的にも心理的にも、また費用的にも決して楽な商売とは言えないということですね。

アパート 修繕 メンテナンス

アパートの購入や売却では注意が必要

土地の状態からアパートを建てるといった状況では施工する会社などを自身で選択することが出来ます。このようなケースではもともと土地を持っている地主の方が多く、自身で施工会社を選べるのである程度の信頼感を得ることが出来ます。

最近では不動産投資の流行りを受け、サラリーマンでもオーナーになる傾向にあります。不動産投資を目的としてアパート購入する場合にはやはり利回り、収入を重視することが多くなります。その為、物件は新築よりも中古物件を安く購入することとなりますが、この際には注意が必要です。利回りや収益ばかりに目が行ってしまうと肝心の建物の状況や修繕状況などを見落とす結果となってしまいます。

修繕が出来ていない物件を購入すれば予想外に修繕費がかかるかもしれません。また、メンテナンスが悪い物件の場合は今回のような崩落事故などの大きな事故を生んでしまうかもしれません。物件の購入時には実際に物件も確認したほうが良いでしょう。

また、不動産投資の場合には遠方にある物件を購入することもあるでしょう。当然アパートは購入した状況ではなく、経年劣化をしていくので管理がしっかりと出来る物件を選ぶ必要があります。安全性などに不備があり、入居者や近隣の方へ被害が及んだ場合、オーナー側に責任が発生し、損害賠償を求められることもあります。アパートを売却する際にも個人間での取引では契約不適合責任が問われますのでメンテナンスや修繕の状況をきっちりと把握する必要があります。

 

アパート 生活

アパートの売却は買取が安心

アパートの購入を希望する場合、住宅ローンは適用出来ないので金融機関からアパートローンなどの融資を受けることになります。低金利ではあるものの住宅ローンよりも金利は高くなる為、融資を組める方が限られてきます。

また、金融機関によって融資の条件が異なり築年数の古い物件やくせのある物件などに関しては融資が減額となることがある為、自己資金である方でないと購入出来ないケースがあります。このことで購入希望者が現れても購入が出来ないといったことも起こり、思ったよりも売却期間が長期化することがあります。

不動産の買取りの場合は不動産業者が買い手となる為、一般の方よりも取引実績や知識などがあるので揉めにくい要素があります。また、個人間の取引では契約不適合責任が売主にはありますが、不動産業者が購入する場合には契約不適合責任を免責とすることが出来ます。
築年数の古いアパートは旧耐震であったり、違法建築をされている場合があります。このようなケースでは融資金額が思った程伸びない、出ないといった懸念事項も想定されます。
老朽化したアパートなどでも不動産業者が買取をする場合、リノベーションをしたり建て壊して新たにアパートや一戸建てを建築するなどのノウハウがありますので一般の方が敬遠をする古すぎるアパートなども売ることが出来ます。

買取りは売却期間が短く、すぐに現金化出来る為、支払いで悩まれている大家さんでもすぐに解決出来るというメリットがあります。

 

まとめ

最近の八王子のアパートの事件に限らず、このような事故は発生することがあります。階段だけではなく、バルコニーなどが崩落するといったケースも過去にはあります。賃貸大家さんは収益を得るだけではなく、より一層管理やメンテナンスに気を配る必要があります。

またメンテナンスが出来ておらず、アパートに不具合が出て怪我をさせてしまうなどの場合、貸主にも責任が出ることを覚えておきましょう。

築年数が経過する程、メンテナンスが必要となります。相続などでアパートを取得した場合、自身でメンテナンスを行う費用や手間暇が無い場合には思い切ってアパートを売ることも選択肢の一つです。

今回のような事故を未然に防ぐためにもメンテナンスや建物の点検など必要となります。また、万が一に備えて大家さんは施設賠償責任保険などの加入も検討すると良いでしょう。入居者や近隣の方に安全な賃貸経営がこれからさらに求められそうです。

 

記事監修者 かながわ行政書士事務所 代表 池田 晴香
行政書士
かながわ行政書士事務所ホームページ:https://kanagawa-gyosei.com/
WEB制作会社に営業として勤務後、学生時代から就職後も続けていた音楽関係の仕事をきっかけに
ラジオパーソナリティー、ナレーション、朗読などの声の仕事を始める。 30代、行政書士の仕事をスタート。
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東急田園都市線たまプラーザ駅の不動産会社、センチュリー21アイワハウス。不動産売買・賃貸・賃貸管理・建売事業など不動産の様々な分野に取り組んでいます。特に不動産売却や不動産買取(自社買取)は取り扱いも多く、ノウハウがあります。相続、空き家、事故物件などにも対応。不動産・住宅のことならセンチュリー21アイワハウスにお任せください。
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センチュリー21アイワハウスではアパートや賃貸マンションなどの収益物件も買取を行っております。築年数が古く老朽化してしまったので売りたい場合やローン支払いの問題や任売になってしまうなどさまざまなケースに対応しております。今回は八王子のアパートの階段事故をもとに大家への責任について見ていきます。
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