相続アパートは売るべきか?売却方法や費用について解説

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相続税対策では、課税対象の価額を減らすために現金の不動産化がよく検討されます。
相続人の手に渡った際に扱いに困ることが多いので、この回では相続したアパートを売るべきかどうかについて考えてみましょう。

 

不動産の相続

売却を検討した方が良いケースとは?

以下で、相続したアパートを売った方が良いと思われるケースについて見ていきます。

①承継者に経営意欲やセンスが無いケース

賃貸物件のオーナーになれば不労所得が入って楽に生活できる、というのは不動産投資ブームの熱が高かった時期によく聞いたフレーズですが、実際にはそれほど楽ではありません。
管理実務をすべて丸投げできる管理業者がいて、実際に委託できる資金的な余裕があったとしても、結局はその管理業者が誠実に職務を履行しているかどうかはオーナーが監視しなければなりません。
また実際には細々とした実務は大家さんが自分で行うことも多く、管理業者を付けたとしても、実際にトラブルが起きればオーナーとしての判断や行動が求められるのでなかなか大変です。
賃貸経営に対するセンスがあって、さらに意欲も十分にあれば対応できますが、そうでなければ長期にわたる経営は難しいでしょう。
少なくとも、最初から意欲がそれほどないのであれば、早々に売ってしまった方がトラブルを避けられます。

②遺産分割で問題になっているケース

相続財産が主に不動産である場合、共同相続人との取り分調整が上手くいかないことが多いです。
その場合、換価分割といって不動産を売却して現金化し、自由な取り分で分けることでトラブルを回避できます。
よくあるのが、経営が上手くいっている物件とそうでない物件の両方があるケースで、共同相続人がどちらを取得するのか揉めるケースです。
この場合、収益があまり上がらない方の物件を売り現金化して分けると良いでしょう。
収益率が良い物件を共有にすることもできますし、賃貸経営に興味がない方の相続人が多くの現金を取得するかわりに賃貸経営から身を引くという選択もできます。

③リフォームやリノベーションに出費が必要なケース

相続不動産は築古になっている物件が多いので、リフォームが必要な場合もあります。
昨今はただでさえ供給過多で借り手が少ないので、魅力のない物件は見向きもされません。
程度にもよりますが、リフォーム費用をかけてでも運営を継続することで確実なうま味があるのか、しっかりとした検討が必要です。
またアパート経営に見切りをつけて別の用途に利用できるようにするリノベーションを検討する場合、かなり高額の費用がかかります。
確実かつ十分な勝算が見込めない場合は、費用をかけて改修するよりも、売れるうちに売ってしまうのが得策です。
一般的な居住用戸建てや分譲マンションなども古くなるほど売れにくくなりますが、アパートなどの収益物件はその性質がさらに強まるので、時期を逃すと売りたくても売れないといったことになってしまいます。

④現状で稼働率が悪いケース

もし現状で空室が多く稼働率が悪いのであれば、あれこれ考えずに早急に売ってしまった方が良いでしょう。
賃貸経営コンサルタントのような専門家であれば何らかの解決策を見出すことができるかもしれませんが、一般の相続人にそれができる可能性は高くないでしょう。
首都圏や東京近郊でもおよそ3室に1室が空いてしまうというのが実情ですから、何か特別な打開策があるとか、失敗してもいいから賃貸経営の経験を積みたいといった事情がなければ、やはり売れるうちに売り抜けることを考えた方が得策と言えます。

実際に相続したアパートを売り出すためには

①アパートの相続登記をする

相続が発生した際にアパートがある場合にはまず、アパートの名義変更をして相続登記を行いましょう。
相続登記は必ずしなければならないというものではありませんが、相続登記が完了していないとアパートを賃貸したり、売ることが出来なくなります。
相続する人間が複数いる場合には全員の同意がないと完全に売ることが出来ないので注意しましょう。また、実際にいくらで売るか、実際に売る価格などは所有者が複数人いる場合には揉める原因となりますのでよく打合せをするようにしましょう。

②アパートに借入があるか調べる

アパートを相続する場合、借入がいくらあるのかを調べましょう。借入が残っている場合にはアパートが売れたとしてもその借入を打ち消すことが出来なければ売ることが出来なくなってしまいます。
また、借入額が多く、売ったとしても借入を無くすことが出来ずに借入が多く残ってしまう場合には相続を放棄することも視野に入れなければなりません。

③譲渡所得税がかかるか確認する

アパートを売って利益が出た場合、譲渡所得税が課税されることがあります。
課税される譲渡所得税は所有をしていた期間により税率がかわってきます。
前所有者の所有年数も加味される為、そのあたりも調べておくと良いでしょう。

④アパートを仲介で売るか買取で売るかを決める

アパートを売るには主に仲介と買取の2種類の方法があります。

●仲介
仲介は不動産会社へ売却を依頼して買主を探す方法です。
・相場またはそれ以上の価格で売れることがある
・売却に時間を要することがあり、売れないケースもある
・仲介手数料などの費用がかかる
・契約不適合責任など物件・設備の不具合がある場合には責任を負う

●買取
買取は不動産会社が直接相続したアパート買取ってくれる方法です。
・相場の7割~8割の価格になることがある
・確実に売ることができ、早ければ7日程で現金化出来る
・仲介手数料が不要
・契約不適合責任は免責となる

相続人が複数いる場合には売却方法は揉める要因となることがあります。
しかし、相続不動産の種類や規模によっては一般の方には手が出しにくくなるので注意が必要です。
また、不動産が相続財産にある場合、分配することが難しくなる為、不動産を現金化して遺産分割を進めるケースがあります。
その場合、すぐに対応が取れる不動産買取を選択される方が多くなります。

アパートの売却

アパートを売る為の費用とは

アパート売る為には費用がかかります。
一体どのような費用がかかるのでしょうか。

・仲介手数料(仲介の場合)※買取ではかかりません。

不動産会社に依頼をして買主を見つけてもらう場合、成約すると仲介手数料がかかります。
(売買価格×3%+6万円)+税という速算式で求めることが出来ます。
物件によっては100万円以上の仲介手数料が必要となります。

・登記に関する費用

相続登記、抵当権抹消登記(借入が場合)、所有権移転登記の費用が必要となります。
一般的には司法書士などに依頼することが多くなります。

・譲渡所得税

アパートを売却して利益が出る場合、課税される税金です。
前所有者と合わせた所有年数により、税率が変わってきます。

・印紙代

売却が成立した際に売買契約書に貼付する印紙代がかかります。
売買価格により貼付する印紙代金が異なります。

・広告費

仲介で売却をする際に折込広告などの特別な広告を利用する場合、広告費が必要となるケースがあります。

アパートを売る際に気を付けたいこと

アパートを売ろうとした場合、単純に売りに出せば良いというものではありません。
なぜなら不動産会社によって対応、提案・アドバイス、売り出す方法などが異なる為です。
また、売却や買取など両面からアドバイスをもらえる会社であえれば自分にはどちらが合うかという判断がつきやすくなります。

(関連記事:『アパートの売却をする方法とは?売り時を把握して損せずに確実に売る』
(関連記事:『アパートの売却の為の費用ってどのくらい?注意点も含めて解説』
(関連記事:『【アパート売却】賃貸経営リスクと将来的な賃貸ニーズを考える』

記事監修者 かながわ行政書士事務所 代表 池田 晴香
行政書士
かながわ行政書士事務所ホームページ:https://kanagawa-gyosei.com/
WEB制作会社に営業として勤務後、学生時代から就職後も続けていた音楽関係の仕事をきっかけに
ラジオパーソナリティー、ナレーション、朗読などの声の仕事を始める。 30代、行政書士の仕事をスタート。
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東急田園都市線たまプラーザ駅の不動産会社、センチュリー21アイワハウス。不動産売買・賃貸・賃貸管理・建売事業など不動産の様々な分野に取り組んでいます。特に不動産売却や不動産買取(自社買取)は取り扱いも多く、ノウハウがあります。相続、空き家、事故物件などにも対応。不動産・住宅のことならセンチュリー21アイワハウスにお任せください。
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相続税対策では、課税対象の価額を減らすために現金の不動産化がよく検討されます。 収益物件を建てればインカムゲインも入るので、遊んでいる土地にアパートなどを立てるのが人気です。 しかし相続が起きた後、そのアパートが相続人の手に渡った際に扱いに困ることが多いのも確かです。
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