【2025年建築基準法改正】不動産市場への影響と私たちへの備え

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2025年、建築基準法は大きな改正を迎えます。今回の改正は、省エネルギー性能の向上、木材利用の促進、そして建築物の安全性向上を目的としており、私たちの住まいや建築物、ひいては不動産市場全体に大きな変化をもたらす可能性があります。本稿では、改正の主要なポイントを詳細に解説し、それが私たちの生活にどのような影響を与えるのかを明らかにしていきます。

 

 
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改正の主要ポイント解説

1. 全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務化

今回の改正で最も重要な点の一つは、全ての新築住宅において省エネルギー基準への適合が義務付けられることです。これにより、断熱性能や設備の効率などが向上し、エネルギー消費量の削減が期待されます。

  • 住宅の断熱性能向上により、冷暖房費の削減が期待できます。
  • 高効率な設備(給湯器、空調など)の導入が進み、エネルギー効率が向上します。
  • 建築コストが若干増加する可能性がありますが、長期的なランニングコスト削減効果が期待できます。
  • 省エネ住宅の底上げが図られ、市場におけるエコ住宅の需要が増加し、価格に影響を与える可能性があります。

2. 中規模以上の木造建築物の構造計算基準変更

木造建築物の利用を促進するため、中規模以上の木造建築物における構造計算の基準が見直されます。具体的には、構造計算が必要となる規模が「延床面積300㎡超」に引き下げられます。

  • 木造建築物の設計において、より高度な構造計算が求められるようになります。
  • 構造計算にかかるコストや時間が増加する可能性があります。
  • より安全性の高い木造建築物の普及が期待できます。

3. 大規模木造建築物の防火規定緩和

木造建築の可能性を広げるため、大規模木造建築物の防火規定が緩和されます。防火規定上の別棟扱いなど、一定の条件を満たすことで、これまでよりも柔軟な設計が可能となります。

  • 木造建築のデザインの自由度が高まります。
  • 都市部における木造建築の増加が期待できます。
  • 木材需要の増加による林業の活性化も期待できます。

4. 4号特例の縮小

建築確認における審査の特例である「4号特例」が縮小されます。これにより、これまで簡易な手続きで済んでいた建築物も、より詳細な審査が必要となる場合があります。特に、中古物件、再建築不可物件への影響は大きいです。倒壊リスクへの考慮もより重要となります。リフォームにおいても、これまで建築確認が不要だった工事が対象となる場合が出てきます。

  • 建築確認申請の手続きが複雑化し、時間やコストが増加する可能性があります。
  • 設計段階での検討がより重要になります。
  • 中古物件、特に再建築不可物件のリフォームが以前より難しくなる可能性があります。

5. 壁量計算・柱の小径基準の見直し

木造建築物における省エネ化等による建物重量化に対応するため、壁量基準・柱の小径基準が見直されます。

  • 木造建築物の構造がより強固になる可能性があります。
  • 使用する木材の量が増加する可能性があります。
  • 設計の自由度が若干制限される可能性があります。

6. 既存不適格建築物に対する現行基準の一部免除

今回の改正では、既存不適格建築物に対し、現行基準の一部免除が設けられます。これにより、既存の建築物を有効活用しやすくなる一方、現行の基準に合致しない部分が存在することから、取引においては注意が必要です。

 

不動産市場への影響

今回の改正は、不動産市場全体に様々な影響を及ぼす可能性があります。

  • 新築物件:建築コストの上昇は価格に転嫁され、新築物件の価格上昇につながる可能性があります。また、手続きの煩雑化やコスト増により供給戸数が減少する可能性もあります。一方で、省エネ性能の高いエコ住宅の需要は増加し、価格も上昇する可能性があります。設計・施工の複雑化も予想されます。
  • 中古物件:新築物件の価格上昇により、中古物件の相対的な価値が高まる可能性があります。しかし、既存不適格物件は評価が低下する可能性があります。
  • 再建築不可物件:4号特例の縮小により、リフォームが制限され、物件価値が低下する可能性があります。ただし、小規模な改修や安全対策は引き続き実施できる可能性があります。
  • 不動産取引:建築確認申請の手続きが複雑化することにより、取引が長期化する可能性があります。仲介業者の役割やインスペクションの重要性が高まります。
  • その他:地方の住宅市場では新築物件の不足が懸念されます。一方で、リフォーム市場は活性化する可能性があります。

 

まとめ

2025年の建築基準法改正は、私たちの住環境に大きな影響を与える重要な改正です。省エネ性能の向上や安全性向上は、私たちの生活の質を高める上で重要な要素です。一方で、建築コストの増加や手続きの複雑化といった課題もあります。特に、中古物件、再建築不可物件の所有者や購入を検討している方は、今回の改正内容を十分に理解しておくことが重要です。

今後の不動産取引においては、法改正の内容を正しく理解し、情報収集を怠らないことが大切です。仲介業者や専門家のアドバイスを受けながら、適切な判断を行うようにしましょう。

センチュリー21アイワハウス

 

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東急田園都市線たまプラーザ駅の不動産会社、センチュリー21アイワハウス。不動産売買・賃貸・賃貸管理・建売事業など不動産の様々な分野に取り組んでいます。特に不動産売却や不動産買取(自社買取)は取り扱いも多く、ノウハウがあります。相続、空き家、事故物件などにも対応。不動産・住宅のことならセンチュリー21アイワハウスにお任せください。
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