土地を相続したら相続税がかかる?相続税の計算方法や特例のポイントを押さえる

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相続によって土地を相続した際には税金がかかることがあります。いわゆる相続税というもので条件によっては相続税の支払いが発生します。今回はどのような条件だと相続税が発生するのか、軽減措置などがあるかをご説明していきます。

相続 評価証明書

そもそも相続税とはどのような税金か

最近では高齢化社会の為か相続の話題がテレビなどでも取り上げられることがあります。相続というと親の財産を受け継ぐイメージですが、資産の状況によっては相続税が発生します。

相続税は親や兄弟などが亡くなった際に遺産・財産を相続した相続人に課税されるようになります。仮に相続した財産が8,000万円などとした場合、この8,000万円すべてに税金が課税される訳ではなく、控除額など一定額を超えた部分に関して課税されるようになります。一定額というのは相続税には基礎控除が設けられており、この基礎控除を超える部分が課税の対象となります。

相続税の基礎控除とは

相続税は相続をする人数によっても基礎控除額が変わってきます。基礎控除額は次の計算式によって求めることが出来ます。

【基礎控除額の計算方法】
3,000万円+(600万円×法定相続人)

法定相続人が2人の場合、3,000万円+600万円×2=4,200万円となります。
相続した財産が4,200万円までは控除されますが、4200万円を超える部分に関して相続税の課税の対象となります。

ここで注意をしたいのが2015年1月1日の税制改正により、相続税の基礎控除額が引き下げられている為、改正以前の税率で計算をしてしまうと課税の対象となってしまいます。

平成26年12月31日まで: 5,000万円+(1,000万円×法定相続人)
平成27年1月1日以降: 3,000万円+(600万円×法定相続人)

基礎控除額が引き下げられたことにより、相続税の課税の対象となる方は増加傾向にあります。国税庁が発表する課税割合の推移では平成26年では4.4%が相続税の課税の対象となっていましたが、平成27年には8.0%と大幅に課税の対象者が増えています。

課税割合

(参照:国税庁「令和元年分相続税の申告事績の概要」)

相続財産が多くなりそうな場合にはあらかじめ対策を取っておいた方が良いでしょう。

資産が多いと相続税率は高くなる

相続税は正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた残りの額を相続分によりあん分した額に税率を乗じます。
相続による取得金額が多いと相続税率は高くなる傾向にあります。

【平成27年1月1日以後の場合】相続税の速算表
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額

【平成27年1月1日以後の場合】相続税の速算表
法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

(参照:国税庁「相続税の税率」)
2015年1月1日の税制改正の改正前と改正後は相続税率も異なっており、税率の最高額が引き上げられていることにも注意が必要です。

相続税比較

(参照:国税庁「相続税改正」)

相続財産とは

相続財産は現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のある全てのものをいいます。

また、みなし相続財産も相続の対象に含まれます。みなし相続財産とは被相続人(例:親)が死亡したことにより発生する生命保険の保険金などのこと言います。
生前に被相続人より相続時精算課税の適用を受け取得した贈与財産などもみなし財産に含まれます。
みなし財産の詳細につきましては下記をご参照ください。
(参照:国税庁「相続税がかかる財産」)

相続税の対象とならない非課税財産

相続財産のなかには相続税が非課税、控除を受けられるものがあります。
非課税となる相続財産をいくつかご紹介いたします。

・生命保険

生命保険に入っていて死亡した際におりる保険金に関しては控除が適用されます。
(500万円×法定相続人数)を控除することができ、これを超える部分が課税の対象となります。

・死亡退職金

被相続人が受け取るべき退職金や功労金などを相続した場合には、相続税がかかります。
死亡退職金も控除が受けられ、(500万円×法定相続人数)までの金額を控除することが出
来ます。

・国又は地方公共団体や公益を目的とする事業を行う特定の法人に寄附した場合

(参照:国税庁「相続税がかからない財産」)

内容によっては非課税となる財産もある為、相続財産は内容をしっかりと確認するようにしましょう。

相続税の課税額を知るには

相続税は相続財産の時価に対して課税されるようになります。現金や預貯金は額面通りが時価となるので分かりやすく、有価証券なども時価で見ることが出来ます。

土地などの不動産の場合は、いくらで売れるといった時価ではない為、別の方法で評価額を割り出す必要があります。土地の相続税評価額は路線価で計算され、路線価は国税庁が設けた評価基準となります。また、路線価が定められていない地域もあり、このような土地は倍率方式という土地の相続税評価方法が使用されます。

路線価

路線価とは、道路に面する標準的な宅地の1平米当たりの価額のことです。

路線価

路線価は国税庁の路線価のサイトより確認をすることが出来ます。

国税庁路線価

このサイトより地図が取得でき、道路部分には数字とアルファベットが記載されています。
数字部分が路線価を表し、1平米の単位が千円となりますので235千円となります。

矢印が範囲を表し、面している土地は1平米23万5千円ということを表しています。

借地の場合、借地権割合をアルファベットで表していますが、土地が借地権で無ければ関係しません。
仮に100平米の土地があった場合の路線価は以下の通りです。

23.5万円(路線価)×100平米=2,350万円

上記が路線価の概算となります。実際には土地の形状を加味して補正値が入りますので評価額は変動することがあります。路線価による評価額を相続税評価額といいます。

倍率方式

路線価の地図上に金額の記載が無い場合は倍率方式で評価されます。倍率方式では固定資産税評価額にその地域の評価倍率を乗じたものが評価額となります。

固定資産税納税通知書からも概算が計算出来る

固定資産税納税通知書は不動産の所有者に毎年市町村から送られてきます。手元にこの書類が無い場合は役所で固定資産税評価証明書を取得することで確認をすることが出来ます。

これらの書類の固定資産税評価額から相続税評価額を概算する方法があります。
【固定資産税評価額÷0.7×0.8】という計算式を用いることで概算の相続税評価額を計算することが出来ます。あくまでも概算となりますので正式なものではないので注意が必要です。

相続税のシミュレーション

ここで基本的な相続税の計算を事例を用いてシミュレーションしていきます。

相続した相続財産が1億円の場合

【相続の条件】
・相続税評価額が5,000万円となる土地
・現金、預貯金が5,000万円
・死亡退職金や生命保険、ローンはなし
・法定相続人2名(配偶者・子供)

遺産総額を計算し相続税課税対象額を計算

遺産の総額
土地5,000万円+現金・預貯金5,000万円=遺産総額10,000万円(1億円)

基礎控除の計算
3,000万円+(600万円×2)=基礎控除額4,200万円

相続税課税対象額の計算
遺産総額10,000万円-基礎控除額4,200万円=相続税課税対象額5,800万円
基礎控除額を超えている為、基礎控除額を差し引いた額が課税対象となります。

法定相続分の総額の相続税を計算をする

相続税課税対象額が確定しているので次に法定相続人の割合によって配分します。
法定相続人の相続する割合は次の通りです。

相続人相続する割合
配偶者のみ配偶者100%
配偶者と子配偶者2分の1、子(全員で)2分の1
配偶者と父母配偶者3分の2、父母(全員で)3分の1
配偶者と兄弟姉妹配偶者4分の3、兄弟姉妹(全員で)4分の1

今回の事例では法定相続人が配偶者と子供となる。
配偶者 5,800万円×1/2=2,900万円
子供  5,800万円×1/2=2,900万円

相続税の速算表に当てはめます。それぞれが2,900万円となるので1,000万円越3,000万円以下の税率と控除額が適用されます。

【平成27年1月1日以後の場合】相続税の速算表
法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円

配偶者 2,900万円×15%-50万円=385万円
子供  2,900万円×15%-50万円=385万円
総額               770万円

納める相続税を計算する

上記の相続税額は法定相続分を計算していますが、遺言書や遺産分割協議書によって財産分配は自由に決めることが出来るので実際の相続割合は異なります。

例① 配偶者が5割 子供が5割の配分の場合のそれぞれの相続税
配偶者 770万円×50%=385万円
子供  770万円×50%=385万円例例② 配偶者が7割 子供が3割の配分の場合のそれぞれの相続税
配偶者 770万円×70%=539万円
子供  770万円×30%=231万円

上記の例では配偶者にも相続税が課税されますが、配偶者は配偶者控除を利用することにより非課税とすることが出来ます。

配偶者控除とは、被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。

① 1億6千万円
② 配偶者の法定相続分相当額

今回の例では相続税課税対象額5,800万円となりますが、配偶者へ相続財産の全てを配分したとしても1億6千万円以内となる為、相続税がかかりません。相続税がかからない場合でも相続税の申告は必要となり、相続税の申告期限までに分割されていない財産は税額軽減の対象になりませんので注意が必要です。
配偶者控除を利用することにより一定の要件を満たせば、配偶者には相続税がかからず、子供の相続税の支払いのみとなります。
(参照:国税庁「配偶者の税額の軽減」)

相続税の申請

相続の配偶者控除の注意点

前項で相続の際の配偶者控除について触れましたが、利用にあたっては注意が必要です。相続税がかからないことから配偶者へ配分してしまいがちですが、これによって目先の問題は解決出来ますが将来的に再度問題が発生してきます。

被相続人の財産を配偶者や子供が相続するのを一次相続、配偶者が亡くなった際に子供が配偶者の財産を相続することを二次相続と言います。二次相続では父と母の財産を相続することとなりますが、配偶者控除が使えない為、基礎控除額などの範囲で相続税を減らすしかありません。また、二次相続では基礎控除額や生命保険の保険金などによる控除が縮小される為、一次相続時と比べて相続税が増えてしまうことがあります。その為、一次相続では二次相続のことも考えておく必要があり、計画的に対策を行うことで将来的に手元に物件を残せるかもしません。

相続での節税の対策

相続ではいままで説明をしてきた他にも利用出来る特例などがあります。ここではその内容を簡単に見ていきます。

小規模住宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、被相続人が住んでいた土地や事業をしていた土地、貸していた土地などがあった場合、一定の要件を満たしていると最大80%減額できる特例です。この特例では土地のみの適用になることに注意が必要です。また、事業を始めてから3年以内に相続が発生した場合、この特例は利用出来なくなります。
(参照:国税庁「小規模宅地等の特例」)

配偶者居住権

相続法改正により2020年4月1日に「配偶者居住権」施行されています。この制度では配偶者に自宅の居住権を渡しつつ、所有権は子どもに相続させることが出来ます。配偶者居住権を取得している場合、所有者が変更となっても住み続けることが出来ます。しかし、売却やリフォームなどは配偶者には権利が無いので行えず、所有者の同意を求めなければなりません。また、配偶者居住権は該当する配偶者のみの権利となる為、第三者へ権利の売却などは出来ません。
もし配偶者が亡くなるようなことがあれば、自宅の居住権も子どもに渡るので権利は子どもだけのものとなります。

(参照:法務省「残された配偶者の居住権を保護するための方策が新設されます。」)

将来的な相続税を考えて売却も視野に入れる

この記事では土地の相続について見てきましたが、相続の際にはどの不動産も相続税が発生する可能性があります。相続財産が基礎控除内で納まる場合には相続税の課税の対象とはなりませんが、多額の資産がある場合には相続税の課税対象となることがあります。

いろいろな節税方法がありますが、将来的に現在の相続税額よりも多く支払わなければならないケースも出てきます。また、不動産の場合は保有しているだけでも固定資産税などの税金や建物のメンテナンス費用が必要となってきます。相続した不動産を将来的に利活用する予定が無く、未利用地や空き家となってしまう場合には売却も視野に入れることもおすすめです。

相続の申請は基本的に10カ月以内という期限が設けられており、売却をするにも早めの決断をしなければ売ることが出来ないかもしれません。このようなケースでは不動産の買取がおすすめです。不動産の買取では物件によっては7日程で現金化出来るケースもあり、時間が無い状況でも対応することが出来ます。将来的に相続税の支払いが難しい場合には売却も視野に入れて考えてみましょう。

まとめ

相続が発生した際は相続資産が多い程、相続税の支払いが発生する可能性が高くなります。しかし、相続税を軽減することが出来る特例も用意されていますので、相続が発生する前に対策を練ることで節税することが出来ます。

この記事では相続税の計算方法などをご紹介していますが、実際に課税される相続税の項目は細かく分類されている為、相続が発生した際には税理士へのご相談をしたほうが良いでしょう。

また、遺産分割協議などで揉める場合には不動産を現金化することでスムーズに行くことがあります。不動産の売却を検討する場合には不動産会社へ相談するようにしましょう。

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記事編集者 不動産買取ナビ編集部
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